「金魚を飼ってみたいけど、フィルターって高価でなんだか難しそう…」
「水槽の水をキレイに保つ自信がない…」
金魚飼育を始めるとき、多くの方がこんな不安を感じるのではないでしょうか。
そんなあなたにこそ、まず試してほしいのが『投げ込み式フィルター』です。
なぜなら、投げ込み式フィルターは「驚くほど安くて、設置も掃除も簡単なのに、金魚の飼育に不可欠な役割をしっかり果たしてくれる」という、まさに初心者にとって“神アイテム”と呼べるろ過装置だからなんです。
この記事では、投げ込み式フィルターの基本的な仕組みから、具体的な使い方、メリット・デメリット、そして長持ちさせるメンテナンスのコツまで、分かりやすくご紹介します。
この記事を読み終える頃には、「なんだ、私にもできそう!」と、金魚を迎えるワクワクした気持ちでいっぱいになっているはずですよ。
投げ込み式フィルターとは?金魚に必須の3つの役割をこなす優れもの
投げ込み式フィルターは、「物理ろ過」「生物ろ過」「酸素供給」という、金魚飼育に欠かせない3つの仕事を1台でこなしてくれる、非常にシンプルなろ過装置です。
その名の通り、水槽の中に“ぽん”と沈めて、エアポンプに繋ぐだけで準備完了。
では、なぜこのシンプルな装置がそんなにすごいのでしょうか。
その秘密は「エアリフト効果」という仕組みと、3つの重要な役割にあります。
「ぽん」と沈めるだけ!エアリフト効果の簡単な仕組み
エアポンプから送られた空気が、フィルター内部の筒を通って「ブクブク」と泡になって上昇します。
この泡が上がっていく力(エアリフト効果)が、周りの水を一緒に吸い上げ、フィルター内のろ材を通過させるのです。
このシンプルな仕組みで、水をキレイにしていきます。
①ゴミを取る「物理ろ過」
吸い上げられた水は、まずフィルター内部のスポンジを通過します。
このとき、金魚のフンやエサの食べ残しといった目に見えるゴミが、スポンジにこし取られます。
これが「物理ろ過」です。
水がピカピカに見えるのは、この働きのおかげです。
②水を綺麗にする「生物ろ過」
投げ込み式フィルターの真の実力は、この「生物ろ過」にあります。
フィルターのスポンジやろ材には、時間が経つにつれて目には見えない「バクテリア」が住み着きます。
このバクテリアは、金魚が出すフンなどから発生する有害なアンモニアや亜硝酸塩を、毒性の低い「硝酸塩」に分解してくれるのです。
このバクテリアの働きのおかげで、水槽の水質は安定し、金魚が健康に暮らせる環境が維持されます。
③金魚が喜ぶ「酸素供給(エアレーション)」
フィルターから出る「ブクブク」という泡は、ただ水を循環させているだけではありません。
水面に弾けることで、空気中の酸素を水に溶け込ませる「酸素供給(エアレーション)」の役割も果たしています。
金魚は酸素をたくさん必要とする魚なので、この働きは非常に重要です。
このように、投げ込み式フィルターは1台で3役をこなす、シンプルながら非常に頼れる存在なのです。
投げ込み式フィルターの種類と選び方 【あなたの水槽に合うのはどれ?】
投げ込み式フィルターには主に3つのタイプがあり、水槽のサイズや飼育する金魚の種類、見た目の好みで選ぶのがポイントです。
どれも基本的な使い方は「エアポンプに繋いで沈めるだけ」と簡単ですが、それぞれの特徴を知って、あなたの水槽にぴったりの一台を見つけましょう。
稚魚にも優しい「スポンジフィルター」
大きなスポンジがむき出しになった、最もシンプルなタイプです。
スポンジ表面積が広いためバクテリアが定着しやすく、生物ろ過能力に優れています。
水流が非常に穏やかなので、琉金や出目金のように泳ぎが苦手な金魚や、小さな稚魚の飼育に最適です。
定番でろ過能力も高い「多層フィルター(ロカボーイなど)」
プラスチックのケースの中に、スポンジや活性炭などの複数のろ材が層になって入っている、最も一般的なタイプです。
物理ろ過と生物ろ過をバランス良くこなし、安定感があります。
45cm~60cm水槽のメインフィルターとしても十分活躍してくれます。
見た目すっきり「コーナータイプ」
水槽の角にぴったり収まる三角形のデザインが特徴です。
レイアウトを邪魔しにくく、水槽内をスッキリ見せたい方におすすめ。
ただし、他のタイプに比べてろ材の容量が小さい傾向にあるため、小型水槽やサブフィルターとしての使用が向いています。
【選び方のコツ】金魚は大食漢!ワンサイズ上か2個使いがおすすめ
ここで覚えておきたい重要なポイントがあります。
それは、「金魚は他の魚に比べてフンが多く、水を汚しやすい」ということです。
そのため、フィルターは水槽サイズに推奨されているものより、ワンサイズ上のモデルを選ぶか、同じものを2個設置するのがおすすめです。
これにより、ろ過能力に余裕が生まれ、水質が安定しやすくなります。
また、掃除の際に片方ずつ洗えば、バクテリアの急激な減少を防げるという大きなメリットもあります。
初心者にとって神アイテム!投げ込み式フィルター5つのメリット
投げ込み式フィルターは、「価格・性能・使いやすさ」のバランスが絶妙で、特に初心者にとって非常にメリットの大きいアイテムです。
なぜ「神アイテム」とまで言われるのか、その具体的な5つの理由を見ていきましょう。
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圧倒的なコストパフォーマンス!数百円から始められる
外部フィルターなどが数千円~1万円以上するのに対し、投げ込み式フィルターは数百円から千円台で購入可能です。
それでいて必要な機能はしっかり備わっており、壊れにくく長持ちするため、初期投資を抑えたい初心者には最適です。 -
金魚に必須の酸素をたっぷり供給できる
フィルターの機能と同時にエアレーションも行ってくれるため、別途エアストーンなどを買う必要がありません。
これ1つで、金魚が元気に泳ぐために必要な酸素を十分に供給できます。 -
泳ぎが苦手な金魚にも優しい「穏やかな水流」
強い水流は、丸い体型で泳ぎが上手ではない金魚にとってストレスになります。
投げ込み式フィルターが作る水流は非常に穏やかなので、金魚の体に負担をかけず、安心して飼育できます。 -
停電時も安心!乾電池式ポンプで代用できる
万が一の停電時、通常の電動フィルターは完全に停止してしまいます。
しかし、投げ込み式フィルターは乾電池式のエアポンプに繋ぎ変えるだけで、最低限の水の循環と酸素供給を維持できます。
これは災害時にも非常に心強いメリットです。 -
掃除が驚くほど簡単!月1回のシンプルメンテナンス
構造がシンプルなため、メンテナンスは驚くほど簡単。
基本的には月に1回程度、フィルターのスポンジ部分を飼育水で軽くすすぐだけでOKです。
複雑な分解や掃除道具も必要ありません。
このように、投げ込み式フィルターは「安くて、簡単で、でも仕事はしっかりする」という、初心者が求める要素をすべて満たした、頼れる相棒なのです。
購入前に知っておきたい!デメリットと賢い対策法
投げ込み式フィルターには、「ろ過能力の限界」や「見た目」といったデメリットもありますが、どれも簡単な工夫で対策可能です。
メリットだけでなく弱点も知っておくことで、より上手にフィルターを使いこなせます。
デメリット | 具体的な内容 | 賢い対策法 |
① ろ過能力の限界 | ろ材の量が少ないため、大型水槽や金魚をたくさん飼うと、ろ過が追いつかなくなることがある。 | ・ワンサイズ上のモデルを選ぶ ・フィルターを2個設置する ・他のフィルターのサブとして使う |
② 水槽内で見た目が目立つ | スポンジやプラスチックケースの存在感が大きく、レイアウトの邪魔になることがある。 | ・水草や流木でさりげなく隠す ・水槽の背景を黒などの濃い色にする |
③ エアポンプの動作音 | ポンプの振動音や、泡の「ポコポコ」という音が気になる場合がある。 | ・静音タイプのエアポンプを選ぶ ・ポンプの下に防振マットやタオルを敷く |
④ 水の蒸発が早まる | 泡が水面を常に刺激するため、フタがないと水の蒸発が早まりやすい。 | ・週に1回など、定期的に足し水をする ・水槽にフタをする |
このように、デメリットはありますが、どれも事前に対策できるものばかりです。
メリットと天秤にかけ、自分の環境に合うか判断しましょう。
【初心者でも簡単5分】投げ込み式フィルターの設置手順
投げ込み式フィルターの設置は、道具さえあれば5分で完了するほど簡単です。
複雑な作業は一切ありません。
以下のステップに沿って、落ち着いて作業しましょう。
STEP1:準備するもの
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投げ込み式フィルター本体
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エアポンプ
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エアチューブ
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逆流防止弁
(※必須ではありませんが、停電時の水の逆流を防ぐ安全装置として強く推奨します)
STEP2:フィルター本体を軽く水洗いする
新品のフィルターには、製造時のホコリなどが付いていることがあります。
カルキ抜きした水か、ぬるま湯で軽くすすいでおきましょう。
STEP3:チューブと逆流防止弁を正しい向きで接続する
「フィルター本体 → エアチューブ → 逆流防止弁 → エアチューブ → エアポンプ」の順番で繋ぎます。
逆流防止弁には矢印(↑)が書いてあるので、矢印がエアポンプ側を向くように接続してください。
向きを間違えると空気が送られません。
STEP4:水槽に沈めて中の空気をしっかり抜く
接続したフィルターを、水槽の底にゆっくり沈めます。
このとき、スポンジ部分を軽く揉んで、中に含まれた空気をしっかり抜いてください。
空気が残っていると、フィルターが浮き上がってきてしまいます。
STEP5:エアポンプのスイッチON!【設置完了】
エアポンプの電源プラグをコンセントに差し込み、スイッチをONにします。
フィルターから「ブクブク」と元気よく泡が出てきたら設置完了です!
たったこれだけです。
初めての方でも、この手順通りに進めれば、迷うことなく設置できるはずです。
フィルターを長持ちさせる掃除・メンテナンスのコツ
フィルターの性能を維持し、長持ちさせる秘訣は、「飼育水を使った月1回の優しい掃除」です。
掃除をサボるとろ過能力が落ち、逆に洗いすぎると有益なバクテリアを失ってしまいます。
正しいメンテナンス方法を覚えましょう。
基本の掃除は月1回!スポンジは「飼育水」で軽くもみ洗い
月に1回を目安に、水換えの際に抜いた飼育水をバケツに取り、その中でスポンジを優しく揉み洗いします。
汚れがドロッと出てくると思いますが、完全にキレイにする必要はありません。
ゴミがある程度落ち、スポンジの目が通るようになれば十分です。
【最重要】水道水と洗剤は絶対NG!有益なバクテリアが死んでしまう
絶対にやってはいけないのが、水道水でスポンジを洗うこと。
水道水に含まれる塩素が、せっかく定着した有益なバクテリアを全滅させてしまいます。
これでは「生物ろ過」の能力がゼロになり、水質が急激に悪化する原因になります。
洗剤の使用は言うまでもありません。
ろ材(活性炭など)の交換タイミングと注意点
多層フィルターに入っている活性炭は、吸着効果が1~2ヶ月でなくなるため、定期的に交換しましょう。
ただし、スポンジと活性炭を水換えと同時に新品に交換するのは避けてください。
バクテリアがいなくなってしまいます。
交換は時期をずらして行うのが鉄則です。
意外と見落としがち?エアチューブやポンプのチェック
長期間使っていると、エアチューブ内に水垢が詰まったり、ポンプのパワーが落ちたりすることがあります。
月に一度は泡の出方をチェックし、弱まっていると感じたらチューブの掃除やポンプ内部のパーツ交換を検討しましょう。
これらの簡単なケアを習慣にすることで、投げ込み式フィルターは驚くほど長く、安定して機能し続けてくれます。
まとめ:投げ込み式フィルターは金魚飼育初心者の最強の味方!
今回は、金魚飼育初心者の方に最適な「投げ込み式フィルター」について、その魅力から使い方、注意点までを網羅的に解説しました。
投げ込み式フィルターは、安価で設置もメンテナンスも簡単な上に、金魚飼育に不可欠な「ろ過」と「酸素供給」をしっかりこなしてくれる、初心者のための最強の味方です。
確かに、見た目が少し気になったり、ろ過能力に限界があったりといった側面もありますが、それらはすべて工夫次第でカバーできます。
何より大切なのは、「フィルターって難しそう…」という不安を取り除き、まずは一歩を踏み出してみること。
投げ込み式フィルターなら、その最初の一歩を力強くサポートしてくれます。
この記事を参考に、ぜひ投げ込み式フィルターを導入して、元気で可愛い金魚との楽しい毎日をスタートさせてくださいね!
あなたの金魚ライフが、素晴らしいものになることを心から応援しています。
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